時間データ

Measurement Session Data(測定セッション データ)レポートの [時間データ] セクションには、1つのレポートにすべてのプロセッサーとクロック タイムが表示されます。サンプル数が100未満のプロファイルでは、[時間データ] タブは表示されません。

プロセッサー時間

  • CPU時間 : 測定対象ジョブ ステップでタスク(Strobeの測定タスク自体は含まない)を実行していた時間を、分と小数第2位までの秒で表した値です。通常、使用されたCPU時間に対して課金されるため、これはシステム資源の時間で最も重要な測定項目であると考えられます。

  • ASエンクレーブ時間 : アドレス スペース エンクレーブ時間、つまり、[CPU]フィールドには含まれていない、エンクレーブに対する所定のアドレス スペースで使用されたCPU時間です。

  • 独立エンクレーブ時間 : 独立エンクレーブで測定されたCPU時間です。独立エンクレーブは、1つの完全なトランザクションを表します。パフォーマンス目標は、そのエンクレーブが作成されるときに分類されるサービス クラスに基づいて割り当てられます。各独立エンクレーブは、そのサービス クラスの期間1と、そのエンクレーブに属するディスパッチ可能な装置で使用されたサービスに基づいてスイッチされた期間で開始します。

  • 従属エンクレーブ時間 : 従属エンクレーブで測定されたCPU時間です。従属エンクレーブは、既存のアドレス スペース トランザクションを新しいディスパッチ可能なユニット セットのもとで継続することを示します。そのパフォーマンス目標は、従属エンクレーブが作成されたときにアドレスの管理に使用されたサービス クラス(またはPGN)と期間に基づいて、既存のアドレス スペース トランザクションから引き継がれます。従属エンクレーブによって使用されたCPUサービスは、アドレス スペース トランザクションによって使用された場合と同様に処理され、アドレス スペースが従属エンクレーブと共にあとの期間にスイッチする場合があります。

  • SRB時間 : システムがサービス要求ブロック(SRB)を実行していた時間を、分と小数第2位までの秒で表した値です。SRBは、優先度の高いサービス ルーチンを表します。測定セッション データ レポートには参考用にSRB時間が表示されますが、続くレポートでは詳述されません。Strobeは、タスクとして実行中のSRBを測定するため、SRBの下で実行する活動を測定できません。CPU時間は、そのアドレス スペース内のすべてのタスク制御ブロック(TCB)の集約タスク時間であり、SRB時間を含みません。SRB時間がCPU時間に大きく影響している場合、例外的または異常な処理のタイプを示している可能性があり、他のツールを使用してさらに調査する必要性を示唆しています。

  • サービス単位 : 測定セッション中に検出されたCPU実行の活動量です。このサービス単位の測定は、測定対象のジョブ ステップでタスクを実行していた1つまたは複数のCPUを反映するもので、測定タスク自体は含まれません。サービス単位とは、CPUの標準的な能力を、命令の実行量として表現したものです。同量のCPU時間で比較した場合、性能の高いシステムの方が低いシステムよりもこのフィールドに表示される値は高くなります。

クロック タイム

  • セッション時間 : 分と小数第2位までの秒で表された、実際の測定セッション時間です。アドレス スペースでジョブの実行がキャンセルされたなどの原因で、サンプル データセットが正しくクローズされなかった場合、ここに警告メッセージが表示され、複数の関連するフィールドはブランクになります。

  • 実行時間 : 測定セッション中に、1つまたは複数のCPUが測定対象のジョブ ステップ内のタスクを実行していた時間を、分と小数第2位までの秒で表した値です。測定タスク自体の実行時間は含まれません。

  • 待ち時間 : 実行時間のうち、測定対象アドレス スペース内のタスクが、本来使用できるはずのCPU時間を使用できなかった推定時間を、分と小数第2位までの秒で表した値です。

  • ストレッチ時間 : より優先度の高いアドレス スペースによる要求や全アドレス スペースのSRB処理時間のために、CPUがアドレス スペースで実行中のプログラムを処理できなかった推定時間です。複数の論理区画(LPAR)が同一の複合プロセッサー群で実行されている場合、ストレッチ時間が長くなることがあります。

  • マルチプロセッサーの比率 : 消費されたCPU時間を実行時間で割った値を、小数第2位までの10進数で表した値です。