DFHKCP

CICSバージョン2.1では、DFHKCPはすべてのCICSタスクを管理するタスク制御モジュールとして機能します。以下の機能を実行します。

  • 実行タスクの優先順位の作成、取り消し、一時停止、変更

  • 待機/待機解除サービスの提供

  • トランザクション定義の更新、削除など、トランザクション定義サービスの一部を管理

  • トランザクション テーブル エントリーの表示

DFHKCPがタスクにプロセッサー時間を割り振ると同時にタスクが処理されます。これは、マルチタスキングという機能です。

オペレーターがトランザクションを要求すると(通常は、ログオンしてトランザクション コードをキー入力する)、CICSはこのオペレーターと端末の状況を検査します。それにより、システムはオペレーターを認識し、このユーザーと端末に対するトランザクションが有効になります。DFHKCPはその後、トランザクションのタスクを作成します。

CICSは、最重要または最も緊急な作業に対して最良のサービスを提供しようと試みます。通常、複数のタスクが資源を獲得するために競合するため、トランザクション、オペレーター、端末にそれぞれ、実行する機能の重要度によって優先順位が割り当てられます。CICSは、これらの優先順位を総合して全体的なタスク優先順位を与え、この優先順位によりタスクを処理する順序を決定します。

トランザクションが途中で中断されることなく完了することはあまりないので、CICSはタスクの実行中に何度も優先順序の決定を行います。トランザクションは通常、CICSのサービスを要求するまで中断なく実行されます。そこで、CICSは要求タスクに制御を戻すか別のサービスの制御を選択するかを決定します。

DFHKCPは、CICSの初期化時にも呼び出され、トランザクションとプロファイルのテーブル エントリーを作成します。

CICSバージョン3.1以上では、DFHKCPはDFHXCPまたはDFHXCPCに制御を渡す始動ルーチンとして機能します。また、一部のENQ呼び出しとDEQ呼び出しを処理します。

ヒント

アプリケーション プログラムが以下のタスク制御コマンドを複数発行すると、このモジュールの活動率が高くなることがあります。

  • EXEC WAIT EVENT

  • EXEC ENQ

  • EXEC DEQ

  • EXEC SUSPEND

参考資料

『CICS General Information(GC33-0155)』

『CICS Facilities and Planning Guide(SC33-0504)』

『CICS/ESA Diagnosis Reference, Version 3.3(LY33-6072)』