KCCOMPAT

タスクが資源タイプKCCOMPATを待機している場合、そのタスクはトランザクション マネージャーによって一時停止されています。

資源タイプKCCOMPATを待機している場合、資源名から、その待機の状況に関する詳細がわかります。以下の表に資源名の意味を示します。

CICS

タスクは、DFHKC TYPE=WAIT,DCI=CICSマクロ呼び出しで一時停止されています。このマクロを発行したのはCICSです。このタスクは何らかの内部イベントが発生し、他のタスクにおいてCICSからECBが通知されるのを待っています。

LIST

タスクは、CICSコードによって発行されたDFHKC TYPE=WAIT,DCI=LISTマクロ呼び出しで一時停止されています。このタスクはECBリスト中のいずれかのECBが通知されるのを待っています。通知後にタスクは再開されます。

SINGLE

タスクは、CICSコードによって発行されたDFHKC TYPE=WAIT,DCI=SINGLEマクロ呼び出しで一時停止されています。このタスクは1つのECBが通知されるのを待っています。通知後にタスクは再開されます。

TERMINAL

タスクは、DFHKC TYPE=WAIT,DCI=TERMINALマクロ呼び出しで一時停止されています。このタスクを一時停止しているのはCICSです。このタスクは端末の入出力が完了するのを待っており、CICSが再開するまでは一時停止状態のままです。

資源名SINGLE、CICS、またはLISTを待機している場合は、ダンプのディスパッチャー要約で、SUSPAREAカラムのエントリーを調べてください。このカラムに表示される値は、資源名によって異なります。

  • SINGLEまたはCICSの場合は、ECBのアドレス。

  • LISTの場合は、ECBリストのアドレス。

(TERMINALの場合は、ディスパッチャーのRESUME関数の影響を受けるため、SUSPAREAエントリーの内容を調べることにあまり意味はありません。端末の待機のデバッグについては、『CICS Problem Determination Guide』の「Investigating terminal waits」を参照してください。)

SUSPAREAエントリーの内容を確認してください。有効なアドレスが含まれているかどうかを調べます。つまり、CICSのアドレス スペース内にあり、実際にECBまたはECBリストを指しているアドレスが記録されているかどうかを確認します。

アドレスが無効な場合:記憶域のオーバーレイが待機の原因となっている可能性があります。この可能性が高い場合は、『CICS Problem Determination Guide』の「Dealing with storage violations」を参照してください。ただし、これが「ランダム」なオーバーレイである可能性も考慮してください。そのような場合、問題の解決が困難です。

ダンプのカーネル情報から、DFHKCマクロ呼び出しを発行したコードを調べてください。CICSが間違ったアドレスを渡していると思われる場合は、この問題について、IBMのサポート センターにお問い合わせください。

アドレスが有効な場合:ECBがどの領域に存在しているかを確認してください。ECBの場所と環境から、そのECBに関連付けられている資源の使用量を制御できるかどうかを判断します。制御可能な場合は、その資源の量を再定義することで問題を解決できることがあります。

ユーザーが資源量を制御できる領域にECBが存在しない場合は、この問題について、IBMのサポート センターにお問い合わせください。