DFHTSP

DFHTSPは、CICS一時記憶制御プログラムで、EXEC CICS READQ、WRITEQ、DELETEQの各要求を処理します。一時記憶レコード、および、VSAM補助一時記憶域または主一時記憶域の使用可能スペースの状況を記録するために必要なテーブル、ディレクトリー、マップを保守します。

ヒント

主一時記憶域を持つようにCICSを変更して、主一時記憶域を16MB境界より上に配置してください。すると、即座に記憶域が復元されます。記憶域をディスクから復元する必要がある場合は、CICS一時記憶ルーチンよりもオペレーティング システムのページング ルーチンを使用したほうが、効率的です。そのためには、一時記憶出口(XTSREQ)を書き込まずに、SITパラメーターTS=(COLD,0)を使用します。

これにより、一時記憶入出力が除去され、応答時間が短縮されます。また、一時記憶データセットを削除できるので、DASDスペースを節約できます。

資源要求分布レポートでDFHTSPの待ち率が高い場合、補助一時記憶域ではなく主記憶域を使用する必要があります。データセット特性レポートでDFHTEMPに対する入出力活動率が高い場合、補助一時記憶域が多く使用されています。その場合は、補助記憶域ほどCPUを使用しない主記憶域に変更してください。また、補助記憶域が多く使用されている場合、プログラムCPU使用レポートに示されるDFHTSPのCPU使用率は高くなります。

Configuration Parameters and System-Wide Statistics(構成パラメーター/システム全体統計)レポートのStrobe CICS Performance Supplement(CICSパフォーマンス補足)レポートに、Temporary Storage Statistics(一時記憶域統計)レポートの情報が表示されます。

COBOLの実行時オプションにSTATEが指定されている場合、一時記憶域が過度に使用される可能性があります。STAEが指定されている場合、ダンプ出力が生成されます。NOSTAEが指定されている場合、ダンプはありません。COBOLの観点から優先されるオプションはありませんが、CICSではダンプ出力が一時記憶待ち行列に指定されることに注意してください。

DFHTSPでのCPU使用率が高い場合、スパン レコード処理のためと考えられます。スパン レコードは、DFHTEMPでの制御インターバル サイズを超えるレコードです。スパン レコードの読み取りや書き込みにより、DFHTSPの再帰呼び出しが発生します。

参考資料

『CICS/MVS Diagnosis Reference, Version 2.1(LC33-0517)』

『CICS Tuning and Performance』(Xephon Consultancy Report, August 1991)

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